attoSNOMIII SNOMヘッド
attoSNOM: 極低温近接場光顕微鏡
attocube社のSNOM製品は近接場光走査型顕微鏡(SNOM, NSOM)として極低温・高磁場中で100nm以下という回折限界を超えた分解能で光学測定を可能にします。原理的には ナノメートルサイズのプローブを試料表面近傍で走査することで、試料と近接場光の相互作用により光学像を得ることが出来ます。
attocubeではプローブの距離制御方式の違いにより3種類の異なるデザインの近接場光顕微鏡を提供しております。
- attoSNOM I
- カンチレバーを使用したSNOMシステムであり、WITec(C)社製プローブに対応しています。チップ-試料間距離制御はAFMと同様チップの変位を検出することにより行います。形状測定と光学測定を同時に行うことができます。
- attoSNOM II
- 干渉計によるチップ-試料間距離制御とファイバー式SNOMによる高効率により操作が容易になっております。
- attoSNOM III
- 水晶のチューニングフォークを使用し、共振周波数のシフトの変化によりプローブの距離制御を行っています。光を使用しない制御方式ですので特に光に敏感な試料には最適です。
attocube社の独自のピエゾポジショナー技術によりSNOMシステムは特に極低温・高磁場・真空中で動作するようデザインされております。極低温動作のためにattoSNOMは交換ガスを介してヘリウムクライオスタット中で冷却されます。
Topography measurement (top) and simultaneously obtained near-field measurement in transmission (bottom) using the attoSNOM I. Sample: Vanadium rhomb-structure on glass substrate with a layer thickness of 10 nm and a period of 5 µm. Distance control: interferometric sensor. (attocube application labs, 2007).
attoSNOM I: カンチレバー式極低温近接場光顕微鏡
attoSNOM IはAFMプローブに似たカンチレバーを試料表面上で走査することで測定を行います。 attoSNOM Iで使用される近接場プローブはAFMのコンタクトモードチップ及び近接場を発生させる光学アパーチャとして機能します。 カンチレバー方式SNOMでは簡便なセットアップにより極低温で高分解能光学イメージと同時に形状を同時に測定することができます。 この方式では透過測定及び反射測定が可能です。カンチレバーの扱いはAFMと同様ですので非常に扱いやすく、またチップ-試料間の距離制御も同様の方式をとっています。
チップ-試料間の距離制御方式
-チップの距離制御はattoAFMと同様カンチレバーから反射したレーザー光の干渉により行います。 シングルモードファイバーに入射したレーザー光はファイバーを通って カンチレバー上に照射されます。この時ファイバーの端で反射する光と、カンチレバーに反射して再度ファイバーに入る光との間で干渉が起こり、ファイバーの端とカンチレバーの反射面の間を キャビティとしてファブリーペロー干渉計を形成します。カンチレバーとファイバーの距離は、干渉計からの光の強度の変化より読み取ることが出来ます。
プローブ
- attoSNOM Iに使用されているカンチレバーはWITec©のものを使用しております。これは微細加工によりシリコンのカンチレバー上に100nm程度の アパーチャーを持つピラミッド型のチップがついており扱いが容易です。
スペックシート
Topography measurement (a) and simultaneously obtained near-field measurement in reflection (b) and transmission (c) mode using the attoSNOM III at ambient conditions. Sample: Vanadium rhomb-structure on glass substrate with a layer thickness of 10 nm and a period of 5 µm. Distance control: shear force measurement via piezo tuning fork. Probe: glass fiber probe.
attoSNOM II: 極低温近接場光顕微鏡
attoSNOM IIは光ファイバーによる近接場顕微鏡です。これは横方向に振動しているファイバーの減衰を利用して距離制御を行うものです。ファイバーからの反射による 光の干渉を利用しているのでセットアップが単純でしかもファイバー型SNOMとして高い効率を持っています。
チップ-試料間の距離制御方式
- プローブの距離制御はattoAFMと同様、光の干渉を使用しています。検出用のシングルモードファイバーに入射したレーザー光は低温側でファイバー型のSNOMプローブに当たり反射した 光が再び干渉計用のファイバーに入射します、このとき検出用ファーバー端で反射したレーザーとの間で干渉が起こりプローブと検出用ファイバーの間の距離の変化を光の信号として測定することが出来ます。ここでも検出用ファーバーと プローブの間ではフェブリーペロー干渉計を形成しています。プローブの振動の検出精度は約160fm/H1/2が可能です。
プローブ
- このシステムでは市販のファイバー式SNOM用プローブが使用できます。一般的にプローブの先端に波長以下のアパーチャーを持っておりこれをを通して光学信号を検出します。
スペックシート
Topography measurement (a) and phase measurement recorded with a PLL analog feedback loop (b) of a chess board with 2 µm in period recorded with the attoSNOM III at ambient conditions. Probe: glass fiber probe. (K. Karrai et. al., Phys. Rev. B 62, 2000, 13174).
Topography measurement (a) and simultaneously obtained near-field measurement in reflection (b) and transmission (c) mode using the attoSNOM III at 4.2 K. Sample: Vanadium rhomb-structure on glass substrate with a layer thickness of 10 nm (attocube application labs, 2007).
attoSNOM III: 極低温近接場光顕微鏡
距離検出にチューニングフォーク式を採用した非常にユニークな近接場光顕微鏡です。また反射光を楕円ミラーにより集光することで高い空間分解能を持ちつつ、高い集光率を実現します。 また距離検出は非光学的に行いますので光に敏感な試料に対しても有効です。
動作原理
- 高い空間分解能はアルミコートされたファイバー型プローブの先端を試料表面に近づけることで実現しています。 チップ-試料間の距離制御にはピエゾによるチューニングフォークを利用しておりますのでチップー試料間の摩擦力及びせん断力を測ることができます。 またケーブルの浮遊容量の影響を避けるためにチューニングフォークには低温アンプが使用されております。 摩擦力によるイメージングではチップの振動はディザーにより50pm程度に設定されておりフィードバックループにより摩擦力を一定に保つようにチップ-試料間距離を制御します。 光ファイバーによるプローブは試料表面を局所的に励起させるために使用され、試料からの反射シグナルはファイバープローブ又はアルミの楕円鏡により集光されます(オプション)。
チップ-試料間の距離制御方式
- 非光学的距離制御方法であるチューニングフォークセンサーを採用しました。これはクォーツを利用してSNOMプローブの微小な振動を検出・制御するものです。 チューニングフォーク素子に固定したファイバー式のSNOMチップは、試料面に平行に振動しており、先端が試料表面にナノメートル程度まで近づくとチップの振幅がせん断力により減少します。 この振幅の減少が一定になるように距離を制御、或いは振幅を検出しながら走査を行います。この方法により0.1pNの摩擦力・せん断力の測定を行うことが出来ます。
プローブ
- attoSNOM III では市販のファイバー式SNOMプローブを使用することが出来ます。

